長野県と岐阜県の県境にある御嶽山(おんたけさん)の噴火で、30日朝から両県警や自衛隊などが行方不明者の救出活動が再開したが、火山活動が活発になる恐れがあることから、午前7時ごろ中断された。
午後になっても状況が変わらず、捜索の終日見送りが決定した。
これまでに死亡が確認されたのは十二人で、心肺停止状態で山頂付近に取り残されているのは二十四人。
長野県によると、けが人は重傷に二十七人を含む五十九人。岐阜県では重傷二人を含む十人。
発生から3日、災害時に生存率が急激に低下する「72時間」の壁を越え、登山客の早急な救出が求められる。
<御嶽山とは??>
御嶽山(おんたけさん)は、長野県木曽郡木曽町・王滝村と岐阜県下呂市・高山市にまたがり、東日本火山帯の西端に位置する標高3,067 mの複合成層火山である。
日本では富士山に次いで2番目に標高が高い火山であり、剣ヶ峰を主峰にして、摩利支天山(2,959.2 m) 、継子岳(2,858.9 m) 、継母岳(2,867 m) などの外輪山があり、南北約3.5 kmの山頂部による台形の山容である。
御嶽山は東日本火山帯の西端(旧区分による乗鞍火山帯の最南部)に位置している。
<噴火当時の状況>
噴火が起きたのは、多くの登山者が昼食を終えた頃で、頂上には200人ほどの人がいた。
突如噴煙が頂上以上の高さまであがった。
登山者は頂上から離れようとしたが、ゴーという音と共に噴煙が追いかけてきてすぐに巻き込まれた。
噴煙の中は周囲が全く見えないほど真っ暗で、登山客の多くはしゃがみこんだという。
噴火当時の御嶽山
より近くの避難小屋を目指そうと、頂上に向かっていった登山客もいたようだ。
<山頂付近の地震計は当日機能せず!?>
御嶽山の山頂周辺に設置された地震計5基のうち3基が、老朽化などの理由で、27日の噴火時のデータが取れない状態だった。
このうち長野県設置の1基は火口に最も近い御嶽山頂にあった。
長野県の地震計は土砂災害対策で1997~2000年度に設置。
しかし、老朽化や落雷などで毎年のように補修が必要で、昨夏以降は2基が故障したままだったという。
また自民党の片山さつき参院外交防衛委員長がツイッターで、噴火した御嶽山について「民主党(政権)の事業仕分けで、常時監視の対象から外れた」と書き込んだとされている。
<富士山では!?>
今回の噴火は水蒸気爆発であったが、噴火の恐れがあるのは、活火山の一つである富士山も例外ではない。
今回は、火山性微動が確認されたものの、噴火を予知することはできなかった。
専門家によると、マグマの噴出と違って、地下水がマグマの熱で膨張して起きる水蒸気爆発の予知は難しいという。
では、富士山で今回のような噴火が起こったら、どの程度の被害になるのか
富士山は、7~9月が登山シーズンで、多いときは1日に1万人ほどが訪れている。
御嶽山は、9、10月の紅葉シーズンに、多いときは1日に5000人ほどが詰めかけるといい、富士山の方が倍ぐらい多い。
さらに、富士山の山頂付近には、避難シェルターはなく、登山道には噴火を想定した避難所はないという。
また、登山届をださない登山客も多い。
登山者が増え続けると危険があるため、富士山への入山規制の導入も議論されているが、まだ煮詰まっていないのが現状らしい。
富士山をはじめとした活火山に登る際は、登山届を出し、万が一に備えてヘルメットを持参するなどの手を打つしか現状ではなさそうだ。
また、登山する前に山についての知識をつけてから登るなど対策はたくさんあるのではないか。
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