男子テニスの楽天ジャパン。オープン第6日が10月4日、東京・有明テニスの森公園で行われた。
シングルス準決勝に出場した世界ランキング7位錦織圭が、同62位のベンヤミン・ベッカー(独)を2−1で破り、2年ぶりの決勝出場を決めた。
準決勝では、4−6、6−0、7−6と最終セットでタイブレークにもつれ込む接戦となったが、最後は6ポイント連取で振り切った。
インタビューでは、
「2セット目簡単に取れても、彼(ベッカー)もまたいいプレーで盛り返してきて、最後まで勝敗が分からずにいた」
と振り返った錦織。
それでも「最後の最後で最高のプレーができてうれしい」と笑みを浮かべた。
前週のマレーシア・オープン初戦から10日、右臀部の違和感でダブルスの準決勝を棄権するなど満身創痍での決勝進出となるが、自身初の2週連続優勝に王手をかけた。
明日5日の決勝の相手はラオニッチ(モンテネグロ)で、自身が初優勝した12年大会の再現となる。
<錦織圭の強さ>
錦織は、先月9月に開催されたテニスの四大大会(グランドスラム)の一つ全英オープンで、ジョコビッチを破り日本人初の決勝進出を決めた。
残念ながら優勝はならなかったが、190cm前後のランキング上位の強敵を次々に倒し、最後まであきらめないプレースタイルは日本だけでなく、世界中の多くのファンを魅了した。
また、長時間に及ぶ試合を2度経験するなど、その驚異的な体力を印象付けた。
そのスタミナという最大の強みを生み出したのも、昨年暮れからコーチに就任したマイケル・チャンの存在も大きいだろう。
グランドスラム上位に食い込めなかった錦織が、なぜここまで強くなったのか。
1つは、安定感を増したサービスを打てるようになったことがある。
サービスエースは増え、1試合当たりの平均エース数は4.6回。
全米オープン準決勝ジョコビッチ戦でのエースは5回。ちなみにジョコビッチは13回だった。
一方で、ダブルフォルトは減り、サービスゲームの取得率(キープ率)も格段に向上した。
もう1つの特徴として、予測力の高さが挙げられる。
テニスを中心にトレーニングを指導する、「Passion Sports Training」(東京)代表の武井敦彦さんは
「錦織は相手の動きを研究し、どういう展開になるか予測する能力が高い。一瞬の動きをとらえ、どこに狙うか、どう打つかを判断している。スポーツビジョンの能力も高い」と語る。
錦織は相手にポイントを奪われながらも、粘り強くラリーを続け、ポイントを稼いでいる。ラリーに持ち込み、相手のミスを誘い、チャンスボールをものにする。
錦織は明日の決勝を前に、全米オープンでも激闘を演じた同世代のライバルで「今年、何回もやっている。やりにくい」相手。
2日のダブルスは右でん部の違和感から棄権、疲労もあって体調は万全ではないが、
「最後の力を振り絞って頑張ります」と凱旋優勝を期待する多くのファンに約束した。
明日の決勝戦は、テレビ東京で午後2時から同4時まで地上波独占中継する。
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